「身体障害者手帳が1級になったら、住宅ローンはどうなるの?」
住宅ローンを返済している人にとって、これは非常に気になる問題です。
実は、加入している**団体信用生命保険(団信)**の内容によっては、身体障害者手帳1級・2級になった場合、住宅ローンの残りの返済が不要になる制度があります。
ただし、ここで注意したいのが、
「身体障害者手帳1級・2級なら、すべての住宅ローンが自動的に免除される」わけではない
ということです。
団信の商品によって保障内容が違うため、自分が加入している団信を確認する必要があります。
今回は、住宅ローンを返済中の人が「請求できるのに知らなかった」ということにならないために、団信と身体障害保障について解説します。
団信とは?
団信とは「団体信用生命保険」のことです。
住宅ローンを借りている人が死亡した場合などに、生命保険会社から保険金が支払われ、その保険金によって住宅ローンの残債が弁済される仕組みです。
一般的には「住宅ローンを組んだ人が亡くなったら、残りの住宅ローンがなくなる」というイメージを持っている人が多いでしょう。
しかし、最近の団信には死亡だけではなく、身体障害、がん、3大疾病、介護などを保障するタイプもあります。
そのため、
「自分は生きているから団信には関係ない」
とは限りません。
身体障害者手帳1級・2級で住宅ローンがなくなる団信がある
代表的な例が、住宅金融支援機構の「新機構団信」です。
住宅金融支援機構の公式情報によると、新機構団信では、
身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級に該当し、身体障害者手帳の交付を受けた場合
に保険金が支払われる保障があります。
そして、この場合は住宅金融支援機構に対する残債務が保険によって全額弁済されます。
つまり、条件に該当すれば、
住宅ローンの残りを返済しなくてよくなる可能性がある
ということです。
これは住宅ローンを返済している人にとって、非常に大きな話です。
ただし「1級・2級なら必ず免除」ではない
ここは特に注意してください。
住宅ローンの団信は、契約している商品によって保障内容が違います。
そのため、
「身体障害者手帳1級だから住宅ローンは全部なくなる」
と考えるのは危険です。
まず確認する必要があるのは、
自分がどの団信に加入しているのか
です。
銀行の住宅ローンの場合も、団信の商品によって「高度障害」「身体障害」「就業不能」など、保障の条件が異なります。
したがって、住宅ローンを借りている金融機関に、
「私はどの団信に加入していますか?」
「身体障害者手帳1級・2級になった場合、住宅ローン残高の弁済対象になりますか?」
と確認することが重要です。
特に注意したいのが「請求忘れ」
ここが今回、一番伝えたいところです。
団信の保障条件に該当している可能性があるのに、
「そんな制度があることを知らなかった」
というケースは避けたいものです。
住宅ローンを毎月返済していると、身体障害者手帳を取得した後も、そのまま返済を続けてしまうことがあります。
しかし、加入している団信によっては、所定の身体障害状態になった場合に保険金によって住宅ローンが弁済される可能性があります。
だからこそ、
障害者手帳を取得したら、団信も確認する
という習慣が大切です。
新機構団信の場合、何を提出するの?
住宅金融支援機構が2026年4月版として公開している「債務弁済(保険金請求)手続きのご案内」では、身体障害の場合の必要書類として、
・団信告済届
・身体障害者手帳(身体障害1級または2級)の写し
・身体障害者手帳申請時の身体障害者診断書・意見書の写し
などが案内されています。
もし身体障害者手帳申請時の診断書・意見書の写しがない場合には、生命保険会社所定の身体障害診断書が必要になる場合があります。
つまり、単純に「手帳を持っています」と言えば終わりというわけではありません。
所定の手続きが必要です。
さらに重要なのが「いつ発生した障害なのか」
ここは見落としやすいポイントです。
新機構団信の場合、身体障害保障の対象になるのは、保障開始日以後に生じた傷害または疾病が原因となっている場合です。
つまり、
「現在1級だから対象」
だけでは判断できません。
その障害の原因となった傷害や疾病が、団信の保障開始日より前なのか後なのかという点も重要になります。
そのため、身体障害者手帳を取得した時期だけではなく、
いつ病気や事故が発生したのか
も確認しておいた方がいいでしょう。
障害年金とは別物
もう一つ注意したいのが、障害年金です。
「障害年金を受給しているから、住宅ローンも免除される」
ということではありません。
住宅金融支援機構の資料でも、障害年金などの公的制度の受給資格があることと、団信の身体障害保険金の支払事由に該当することは別であると説明されています。
したがって、
障害年金 → 団信も自動的に対象
とは考えない方がいいでしょう。
逆に言えば、障害年金を受給していなくても、加入している団信の条件に該当する可能性はあります。
「昔からの障害だから無理」と決めつけない
ここも慎重に確認したいところです。
団信によっては、保障開始前から存在していた傷病が原因の場合、身体障害保障の対象にならないことがあります。
新機構団信についても、保障開始日前に生じている傷病を原因とする場合は、身体障害保険金の支払対象にならないとされています。
ただし、実際に自分が対象になるかどうかは、病気や事故の発生時期、団信の保障開始日、身体障害の認定内容などを確認しなければ判断できません。
だからこそ、
「たぶん無理だろう」と自分で判断してしまわないこと
が大切です。
住宅ローン返済中なら、一度団信を確認してみよう
もし現在、住宅ローンを返済しているなら、一度次の項目を確認してみてください。
団信チェックリスト
□ 住宅ローンを借りた金融機関
□ 住宅ローンを契約した年月
□ 団信に加入しているか
□ 団信の商品名
□ 身体障害保障が付いているか
□ 身体障害者手帳の等級
□ 手帳を取得した年月
□ 病気や事故が発生した時期
□ 団信の保障開始日
□ 現在の住宅ローン残高
これらを確認するだけでも、自分が調べるべきポイントがかなり明確になります。
まず銀行に何を聞けばいい?
難しい保険用語を覚える必要はありません。
住宅ローンを借りている金融機関に、
「身体障害者手帳1級を取得しています。加入している団信で住宅ローン残高の弁済対象になる可能性があるか確認したいです」
と伝えればいいでしょう。
2級の場合も同じです。
そして、
「必要な請求書類は何ですか?」
「団信の保障開始日はいつですか?」
「今回の身体障害は支払事由に該当する可能性がありますか?」
と確認してみましょう。
金融機関側で確認してもらうことができます。
まとめ
住宅ローンを返済中の人にとって、団信は「死亡したときだけの保険」と思われがちです。
しかし、団信によっては身体障害を保障しているものがあります。
住宅金融支援機構の新機構団信では、身体障害者福祉法に定める1級または2級に該当し、身体障害者手帳の交付を受けた場合、住宅ローンの残債務が全額弁済される仕組みがあります。
ただし、重要なのは、
「1級・2級なら誰でも住宅ローンが免除される」という制度ではない
ということです。
加入している団信の種類、保障開始日、障害の原因となった傷病の発生時期などによって判断されます。
だからこそ、身体障害者手帳1級・2級を取得した人や、これから取得する可能性がある人は、
「自分の住宅ローンの団信には身体障害保障が付いていないか?」
を一度確認してみることをおすすめします。
知らなかったために請求しないまま住宅ローンを払い続けることがないように、まずは金融機関に確認してみましょう。
請求できるかどうかを決めるのは、自分ではありません。
「対象になるかもしれない」と思ったら、まず確認する。
これが住宅ローンの団信で損をしないために大切なことです。



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